週刊新潮

90歳を超えると7割の人が認知症になるという。そうして家族の顔すらわからずに、寝たきりのまま命をながらえる。それが100歳社会の実態だと知っても、むやみに長生きを望むだろうか。 救命救急センターは高齢者であふれ返り、生を継続するための救命救急センターが、巨費を投じて看取る場になってしまっている。 医学の勝利は、われわれが望んだはずだが、増えつづける高齢者が、医学の勝利の果実を求める。薬価は吊り上がり、保険制度は破綻する。